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ヴィクトル・ユゴー [生涯]

ユゴーVictor Hugo(1802-1885)
 19世紀前半のロマン派の領袖的存在。フランス東方のブザンソンで生まれたが、のちパリに出る。詩・小説・劇・評論・旅行記・随見録などあらゆるジャンルの作品を残した。
 作品も幅広いが、人生的にも波瀾万丈の生涯だった。初期は王党派だったが、ルイ・ナポレオン(大ナポレオンの甥)が独裁の野望を露わにした頃から、民主主義的色彩を強め、人道的な熱弁をふるった。そのため英仏海峡の小島ジャージー島・ガンジー島に逃れることを与儀なくされた。1870年に普仏戦争が勃発し、ルイ・ナポレオンの第2帝政が崩壊すると亡命生活も終わりを告げパリに帰還。
 日本では小説『レ・ミゼラブル』が有名だが、本国フランスでは詩人としての価値に重きが置かれている。イギリス文学と言えばシェクスピア、ドイツ文学ではゲーテと言われるが、フランス文学ではこのような「高峰」がいないということで、一時ユゴーをフランス文学の代表のようにしようと豪華な全集などが出版されたが、定着しなかった。このことを逆に言うとフランス文学は、アルプス山脈のように平均してレベルが高いという言い方がなされている。劇作『エルナニ』は後世から作そのものの評価はされなかったが、観客を動員し「やんや」の喝采を起こさせ、古典派に「打ち勝った」エピソードはフランス文学史上有名な語り草。以後ロマン派が優勢になる。
 私生活では、妻に不倫をされたり(ただし、自分も愛人をつくり、生涯彼女と共に暮らす)、愛娘のレオポルディーヌがセーヌ川で溺死するという悲劇に見舞われている。生涯を閉じたときにはパリ市民200万人に見守られ、フランス国家に功績があった人が埋葬されるパンテオンに葬られた。
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